--この世のものとは思えない、異常や不思議な現象を目の当たりにしたことあるかもしれません。
それらの原因が、知恵と意志を持つ何らかの力であることがあるでしょう。ステラに住まう人々は、
そういったモノたちをアヤカシと呼んでいます。
アヤカシという言葉は、古い言葉で、正体の分からないもの、不明瞭なものという意味があり、
人が為し得ないような、現象を引き起こす者たちへの畏怖が込められています。
「アンデッド」や「魔神」、時には「妖精」もまた、アヤカシと呼ばれることがあり、
人に害を与えるものに対する俗称として使われることもしばしばです。
しかし、本当のアヤカシは、その程度の存在ではありません。彼らが出現し、居を構えた場所の周辺は、
マナの多い土地であることが多いです。一節では、彼らの存在がマナを集めているとも言われています。
彼らは精神的な存在に近く、いわゆるところの、神と同じような性質を持ち、強い精神性を持ちます。
強者として君臨し、畏怖を集めることで、その信仰もまた力の源になり、長く強く生きているモノほど、
多くの信仰と畏怖を集めていると言い換えることもできるでしょう。
アヤカシたちの外見的特徴は、共通するものはありません。なので、誰かがアヤカシといえば、
それはアヤカシであるということが多いですが、振るうことができる権能として、アヤカシの力を
持つモノは、存在感が違います。勘の鋭い者であれば、それで判断することができるでしょう。
また、神々も、アヤカシと呼ばれることがあります。アヤカシの中でも、人に加護を与える存在や、
封じられ守り神となった存在は、アヤカシの中でも、カムイと呼ばれていることがあります。
カムイは、一種の小神であると言っても差し支え無いでしょう。
ステラの民は、アヤカシたちと奇妙な共存関係を持っています。害を与えるならば、時として、
刃を持ち、立ち向かうことはありますが、お互いの領域に侵犯することはほとんどありません。
アヤカシは人々の畏怖や、認知がなければ存在することができず、また、ステラの民も、
守り神となることになるアヤカシがなければ、この厳しい島々が災いに襲われてしまうと
信じられているために、ある種のいて当たり前の空気のような存在かもしれません。
時として、あらゆるモノは、アヤカシとしての性質を帯びることがあります。長年大事にされてきた
物品や、脅威のある魔物、英雄、畏怖や信仰を集めた存在は、その在り方の階位が上がり、一種の
神の領域に踏み込むことがあります。あくまでも、在り方が変わるだけど、そのものが持つ力量が
極端に変わることはありません。場合によっては、新しい力に目覚めることや、権能を振るうことが
できるようになることがあります。
ここでは、アヤカシのデータについて、特徴や作り方などを解説します。
アヤカシの魔物としてのカテゴリは、「分類:アヤカシ」として扱われます。
アヤカシの"穢れ"は「0」点です。ただし、場合によっては、<守りの剣>の影響を受けます。
その他に、アヤカシは共通して、精神属性に対する抵抗力判定に+4のボーナス修正を受けます。
また、精神効果属性(弱)に属する効果を受けないことを選択できます。
通常の魔物がアヤカシとしての性質を帯びはじめた当初は、後述することになりますが、
特殊能力として「◯アヤカシ」を取得し、従来のカテゴリの特徴の上に、アヤカシとして
の属性を帯びます。
見識判定14、あるいは魔物知識判定12に成功すれば、アヤカシの存在を知っています。
ステラの民である場合は、それぞれの目標値は5程度となります。
これは、多くの場合、文献や口伝から得た知識であり、詳細についてはおぼろげにしか
分かりません。詳しく存在について知っているのは、専門家でもごく小数でしょう。
ただ、人族にかぎらず、生命にとっては畏怖を集める存在であり、場合によっては、
退治が必要であることはわかります。
アヤカシの魔物知識判定は、三段階に分かれます。これは魔物知識判定データとして記載された
場合、「アヤカシ知名度」として、「知名度/弱点」の欄に追加で記載されます。
アヤカシ知名度の決め方と扱いですが、まず魔物の、知名度と弱点はそのまま使用します。
通常の魔物知識判定に成功すれば、魔物のスペックを知ることができます。
しかし、アヤカシの権能の有無やその詳細が分かりません。
通常の魔物知識判定+2に成功した場合、アヤカシとしてのスペックが判明し、すべての特殊能力の効果と基準値がわかります。
そして、弱点値以上の達成値が得られた場合、弱点を含めて全てのスペックを知ることができます。
アヤカシは、それぞれが"権能"を持ち合わせています。
それは、アヤカシがアヤカシ足る所以となる、振るうことのできる能力です。
"権能"は、そのアヤカシが可能とする能力(魔法技能や戦闘特技など)、
能力を通して他の何らかの対象に意図的に操る能力が多く見られます。
中には、その全体像が分からないものもあり、アヤカシ本人にしか、
あるいは場合によってはアヤカシの当人にも分からない場合があります。
アヤカシには大きく分けて「怪異」と「ヘンゲ」、それに「カムイ」が存在します。
なお、これらの種別は発生の起源の違いであり、個々の戦闘力は種別に関係なく、その強さは様々です。
怪異は、総じて現象や怨念といったものが多く、一定の法則に則って動くものが多いです。
それ以外にも、自然発生的な特殊な生物のようなものもおり、
後述の「ヘンゲ」以外のほとんどのアヤカシは怪異であると言ってもいいでしょう。
ヘンゲは、元々は生物や、器物、あるいは何らかの意志ができた存在が、
後天的にアヤカシとして成ったものです。
元々の性質を受け継ぎながらも、アヤカシとしての力を後天的に手に入れました。
後天的にアヤカシとなったものは、しばらくは元々の性質のままですが、
20年程度を目安に、完全に「分類:アヤカシ」となり、寿命などから解き放たれます。
カムイは、希少な存在です。
カムイは他のアヤカシとは異なり、現象が知恵と意志を持ち、人の姿の化身を持つに
至ったような存在です。妖精と近しい存在といえるでしょう。妖精との大きな違いは、
彼らは一人一種族といっていい程度に、強力な個体が生まれることがあります。
そのため、アヤカシの中でも頂点にあるような存在で、他のアヤカシは本能で
力量差を察し、従い秩序を作ることがあります。しかしながら、アヤカシも
実力主義の世界で、弱いカムイであるならば、従うことはないでしょう。
アヤカシのデータの作り方はこちらを参照してください。