ここでは、ステラ地方に特有の信仰を紹介します。
この地で、主に信仰されているのはミコトという神であり、
習慣や文化から、誰もがその教えを実践しているでしょう。
しかしながら、彼らはそれ以外の信仰を否定するわけでもなく、
共に祀ってはくれるでしょう。
ミコトという神について、以下に纏められていることは、
外部のキルヒア神官らなどの知識人が、調査したときに、
編纂されたものです。事実や本質とは異なることがあります。
ミコトには、定まった聖印はなく、それぞれ信者が、
大切なものを一度捧げ、祝福された(あるいはそうとみなされた)
ものを身に着けています。
神像のモチーフは、かつてこの地にいたとされる名士たちを
伝統的に用いてるようですが、最近は最も新しき英雄の少女
を模していることが多いようです。
この神、いや神々はテラスティア大陸における信仰を
複合したかのような教えを持っています。
いつ生まれ、どのようにして神格を得たか、口伝としては
伝わっているようですが、どれも眉唾ものです。
ミコトの教義というものは、あらゆるものに、
神が宿ると考え、敬意を忘れてはならないとされています。
また、先祖を敬うことや、活躍した名士たちを忘れてはいけないと
いうことも教えており、アンデッドに対しては、
敬うことが足りないがゆえに、現世に彷徨うため、
祀り、敬意を崇めることでその魂を鎮め、正しき輪廻へと
想いを説いて還すのだと伝えられています。
本来、この神々には呼称はありませんでしたが、
外部の人には伝わらないから、何かしらつけてくれ、
という要望に答え、300年前ほどに、当時の少女英雄から
名前をとって、ミコトにしたそうです。
なお当人からは、全力で反対されたようですが、
皇家の鶴の一声で、皆納得したようです。
※当人を除く
「物を大事にしましょう」
「自然を奉りなさい」
「善きことも悪きこともある事実を受け入れなさい」
ステラ地方においての、人々の信仰は、ラクシアのそれらとは、
ほとんど代わりません。ただ特定の神に対してではなく、
朝起きれば、ティダンではなく、太陽に感謝し、
食事の際には、食物となったモノたちへと感謝を捧げ、
夜になれば、シーンではなく、月の恵みに感謝して眠るというものです。
やってることは同じであるがゆえに、概ね他の地方からの移住者もまた、
馴染むことが容易であり、あらゆる信仰を受け入れる受け皿となる、
精神性を作り出しているようです。
最も不思議と思われることは、悪いものであれ、畏れ敬うという点でしょう。
嵐が起きれば、嵐へと怒りを沈めたまえと祈り、アンデッドが現世へと彷徨えば、
祀り、輪廻へと還ることができるように、想いを向けるといったものです。
不思議なことに、それらの信仰によって嵐は鎮まり、アンデッドもまた、
輪廻の輪へと還るといった逸話が各地へと残されています。